*近況・更新情報*

2014-11-11

図書館系勉強会の記録を作成しました

「薬学図書館」vol.59 no.4に”医学分野における学会発表の分析:Pharmacovigilanceの観点を含めて”が掲載されました

2014年

8月

26日

バルサルタン臨床論文改ざん事件の中にみる査読誌出版社の利益相反問題

同僚から教えてもらった新聞記事の中に、興味深い指摘がありました。
降圧剤「バルサルタン」の臨床試験にノバルティスファーマ社員が関与し、改ざんデータを利用した論文を投稿・販促利用していた問題についてです。薬事法にお ける誇大広告の疑いでノバルティス社が刑事告訴されましたが、それだけでなく、臨床試験実施研究室への多額の奨学寄附金やねつ造論文を基に関連学会がガイ ドラインを策定し、さらには学会との癒着疑惑など様々な問題が浮かびあがっています。
 
 
毎日新聞は特集で複雑なこの事件を分かりやすくまとめて報道していたのですが、その中で興味深い指摘がありました。
こ れまで、製薬会社と医療関係機関の癒着疑惑は数多くあり、それを避けるためにも昨今論文における利益相反有無の明示は一層厳しく取り扱われています。その利益相反についてはよく聞く話題ですが、今回毎日新聞で指摘されていた出版社と企業の利益相反疑惑は初めて見るものでした。以下、毎日新聞 2014年6月 2日(月)13版 p.10(強調は筆者によるもの)からの引用です。
 
 
”ランセットは世界で最も権威ある医学誌の一つだ。当時ノ社に勤めていた男性は「降圧剤を巡る業界の競争は激しい。一流誌ランセットの論文があったから他社をリードできた」とい言う。
だがそう単純ではない。バルサルタンの広告代理業務を担ったのは、ランセットを発行する出版社の日本支社だった。ここには隠れた利権が存在していた。
論文の著作権は出版社にある。このためノ社に限らず、製薬会社は自社の薬に有利な臨床試験の論文が出ると、医師に配るため論文の別刷りを大量に発注する。製薬会社がスポンサーになった臨床試験の論文は出版社にとって「金づる」というわけだ。”
 
” ノ社はバルサルタン論文の別刷りの購入部数を明かさないが、英国では1本の医学論文の別刷りが出版社に2億円以上の収入をもたらした事例も報告されてい る。製薬72社の公表資料を毎日新聞が集計したところ、論文の別刷りなど医師に渡す「医学・薬学の関連文献」に、12年度だけで200億円以上が製薬会社から支出されていた。”
 
 
これまで、査読システムの構造的な問題は指摘されつつも、査読により科学論文の妥当性を証明する行為はある意味神聖視されるような、当然のものとして受け入れられてきました。
毎日新聞の指摘は事実の羅列であり、疑惑ですらありません。しかし、論文誌や査読問題に利益相反の疑いが生じ得るということ自体、これまで考えが及ばず、新鮮な驚きでした。
 
この問題は、昨今の著作権料の高騰化に加えて、医薬品を販売するMRが医者など医療関係者に文献を配布するという特殊な行動が背景にあります。これは、日本固有の文化であり、海外で普通に行われているものではありません。
日本の薬事法で医療関係者への医薬品に関する情報提供が義務付けられており、製薬企業は それを根拠に論文を医者に提供します。その行為は、日本のMRの営業の大きな要素を占めています。
つまり、組織運営のため、製薬企 業は他業界よりも膨大な量の文献複写を行う必要があるのです。その弱みにつけこまれて著作権管理団体から狙い撃ちされていたりもするので、製薬企業は非常 に著作権問題のコンプライアンスに敏感です。営業のため大量の文献が必要になった場合は複写のための著作権料の支払いよりも別刷りの購入のほうが安価であ るなどの話も聞いたことがあります。
文献の入手が業務上必要であり、それが莫大な量となれば、出版社の大きな収入になります。査読論文誌に企業が求める論文が掲載されることが出版社の利益に繋がる。それは、たしかに利益相反が疑われる余地がある構造かもしれません。論文誌の科学的正当性を維持するために、出版社と査読委員会の独立性の証明など、一層注意した運営が求められるのではないでしょうか。
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2014年

8月

15日

「アンネの日記」破損事件にみる海外と国内における報道の違い:「アンネの日記」破損事件クラウドファンディング報告・講演会に行ってきました

ALIS定例会特別企画 クラウドファンディング報告・講演会に行ってきました。

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2014年

6月

18日

学ぶべき人が勧める本にハズレはない

 

情報過多な時代においては良質な書評(あるいは自分の好みに合う書評)の書き手を見つけることが大事だと、私は思います。同時に、尊敬する先生や先輩、面白い人だな、頭の良い人だなと思う友人など、自分が学びたいと思える人が勧めてくれる本は、思っている以上に自分に良い影響を与えてくれたりします。

書評ブログとして名高い「スゴ本」さんの新入生向け読書リストも、もう新入生はとっくに過ぎてしまいましたが、不勉強な自分の読書リストにぴったりでした。

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